2008年05月08日

日本三文オペラ

開高健「日本三文オペラ」読了。継之助を本の世界に引きずり込んだのは、開高健その人なのだが、「パニック」「裸の王様」とあわせて続けざまに読んでみた。(しかし「かいこうけん」だとばかり思っていたのだが、「かいこうたけし」なのだ。ちゃんと調べないとこういう誤解をしたままになるのですね。)

驚いたことに、そこには「都市鉱山」の概念が登場している。Wikipediaにもそこまで「都市鉱山」の起源が遡るとは書いていない。

しかも現在まで至る、このリサイクルという仕事の怪しさと経済的意義が、小説の背景にきちんと描かれている。

二十年前には決してお薦めの本ではなかったと思う。それだからこそ、初版から約五十年経過した今、この本の背景は再び同時代性を持ち始めている。

と偉そうに評論してみたが、そんなことを抜きにして、開高健の豊穣な日本語に触れる喜びに浸ることができた。

お薦めである。
posted by 継之助 at 23:53| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの図書室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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