2007年02月08日

「電子材料王国ニッポンの逆襲」

「電子材料王国ニッポンの逆襲」(東洋経済新報社 泉谷渉著)という本を読んだ。いや正確にはまだ単に目を通しただけで、ディテールはこれからだ。(余談だが、ビジネス系の本の場合こういう読み方をすることが多い。5分で内容が把握できることもあり、その結果ディテールまでは読まないと判断することもあり。)

その本にバイヤーにとっては衝撃的なくだりがあったので一部引用する。日本の材料メーカー担当者が、米国の半導体メーカーに安値での見積もりを無理して出した時のことだそうだ。

ー「見積もりをもっと高く書き換えてください。この数字では、あなたの会社は赤字になる。もし、こんな数字で御社が受注すれば、次の設備投資ができないでしょう。また、次世代への研究開発投資ができないでしょう。私たちは、パートナーなんですよ。あなたの会社がつぶれてしまったら、私たちが困るんです」。その材料メーカーの担当者は驚き、そして次の瞬間には、涙がこみ上げたという。ー

値上げを認めるということは、あなたがバイヤーなら当然あるだろう。だがそれはサプライヤーが全ての状況証拠を揃えてきて、苦境を説明しているのに、「社内では予算が決定済みで値上げなんて通らない」とさんざん粘ったあげく、八掛けにして認めているのではないだろうか?バイヤーの第一の価値は安値買いだと信じて。(少なくともバイヤー時代の私はそうだった。)

「サプライヤーとWin-Winの関係になくてはならない」なんて誰でもいうことである。だが、相手が勝手に安値で見積を出してきているというこの状況で、「これでは貴方の事業がなりたたないでしょうから、きちんと利潤をとってください」とあなたは言えるだろうか?

これを言えるようになるまでには、
1)サプライヤーの原価に対する理解
2)サプライヤーと自社との現在から将来までの関係性への理解
3)自社の事業に対する理解
が少なくともバイヤーには必要で、その上それを全て社内で通す力もなくてはならない。全てバイヤーには必要なスキルだ。

だがしかし、繰り返しいうが、「これでは貴方の事業がなりたたないでしょうから、きちんと利潤をとってください」とあなたは言えるだろうか?

皆さんの感想、ご意見をお聞かせ頂ければ幸いである。



posted by 継之助 at 06:52| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ばいやーの図書室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まず、ここまで即座に見積もりを読みきれる
バイヤーの能力がすごいですね。
バッタ屋商売ではないですから、継続するためには妥当性のある価格というのは至極当たり前ですが、裏を返せば、継続取引の必要性がなくなれば、即座に切られてしまうという合理性もある話なんでしょうね。さすが大陸系狩猟民族的思考…
Posted by シゲ at 2007年02月20日 01:19
そう、即座に切られるという合理性、これも重要ですよね。緊張感のある取引関係って重要ですからね。

でもやっぱり私にはこの台詞言えそうもないんですよね。どれだけ頭ではわかっていても。
Posted by 継之助 at 2007年02月20日 23:17
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