ハッピー・リタイアメント
の二冊を同時に読了。
柴田英寿さんの論旨には、ほぼ全面的に賛同。サラリーマンというリスクの「比較的低い」仕事を確保しながら、会社の外で稼げるなら、言うことはない。実際には会社に言うことを聞いてもらうためには、結構仕事をこなさないといけないはずだけれど。
ただ、最後が不動産投資なんですかねえ。そこのところが正直良くわかりませんでした。
浅田次郎さんの「ハッピー・リタイアメント」は最初ぎょっとした。(死語?)舞台となる「全国中小企業振興会」なる組織に聞き覚えがあったからである。資本金1000万円超の会社に御勤めのバイヤーなら、おわかりかもしれない。下請法に関わる講習会をやっている法人にそっくりな名前なのだ。ちなみに本物(?)の名称は「全国中小企業取引振興協会」である。
それはともかく、三人の主人公がいい。「ノンキャリの悲哀」を吹き飛ばす、ユーモラスだけど気骨を感じさせるキャラクター。浅田さんの作品はそんなに読み込んでいる訳ではないが、キャラクターの描き方が好きなんだよね。
二冊ともおすすめである。
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