懇意にしている営業マンが転勤になったため、ちょっと遠くの転勤先の店まで、買い物がてら通っている。
あらかじめ日取りだけ予約しておき、当日の朝、時間を連絡することにしていたのだが、電話するとその営業マンが出て来て、「申し訳ありませんが、外出することになっているので、他の営業に話をしておきます」と言う。
店に行って、車を預け、他の場所で時間をつぶしているとメカニックから点検終了の電話があった。ところが、メカニックが営業マンに電話を替わるという。何事かと思ったら、「これからまた納車があるので、お会いすることができない。申し訳ない」とのこと。
この年末に、またこの未曾有(みぞう)の不景気にも関わらず、彼は一日に二台もの車を納車した、というのである。
私は彼からは既に二台の車を購入したのだが、その間、二回も転居をしている。それでも連絡を欠かさずにいてくれるので、どうせ買うならこの人からということになったのだ。
マクロで見ると物は売れない。それは否定できない事実だ。それは不況のせいである。
しかしミクロでは物を売ることのできる人がいる。これも事実である。