2008年07月17日

私的CPP講座 その三

ずいぶん早く目が覚めてしまいました。こういうときは無理に寝ようと努力(?)しないで、さっさと起きてこうやってブログ更新したりしています。その方が体調も、心理的にも良いようです。まあ、後で通勤電車で暴睡したりしてますが。

さて、今日は「調達実施」の部分から、スペンドアナリシスと契約書について。

スペンドアナリシスってなんだか大げさな表現ですが、要するに買っている物の履歴を分析すること。材によっていろいろな切り口があったりします。直接材だと単品毎の単価変動を追っかけたりもしますが、間接材だともっとざっくり品目群で切って分析する必要があったり。

ここで重要になってくるのが、データベースのスキルです。最近はERPなどと連携して切り口を簡単に設定できる分析ツールがあったりしますが、そこまで行かなくてもACCESSで充分。最近の社会人の基本としてWordとEXCELは必須で、あとPowerPointのスキルを求められたりしますが、私としてはAccessも必須と言いたい。

基幹システムからデータをダウンロードして、ACCESSに取り込み、切り口を設定してデータを切り出して、EXCELで加工すると結構な分析ができます。今は情報セキュリティがうるさいからそのあたりはクリアしなくてはなりませんが、最初にこれを思いついてやってみた時には、本当に目の前の霧が晴れたように、自分の工場の購買実態を明らかにすることができました。

もちろんどうやってデータを切り出すか、という部分はACCESSそのもののスキルと同じく重要なのですが、それはとりあえず思いつき(というより仮説)でもかまわないと思います。やっているうちに効率よく仮説を立てられるようになるはずです。まずは解説書を読みながらACCESSに慣れることです。

次に契約書ですが、これは特に若いバイヤーにはハードルが高いものの一つだと思います。法学部出身だと多少は用語に慣れていたりしますが、社会に出るまで実際の契約なんて殆ど目にしたことがないというのが実態でしょう。

さて、それでは質問です。契約書の存在意義とは何でしょうか?

答えは「取引の当事者にとって重要なリスクの処理方法を、あらかじめ決めておくこと」です。契約書に関する実務で一番難しいのは、何を規定したら良いのかが分からないということだと思います。

本来はシンプルに考えればよいのです。つまり契約案件毎に重要なリスクを規定すればよい。ただ、ひな形や解説書では、どんな契約でも必ず押さえておかなければいけない項目はカバーしているので、それを使ってアレンジした方が漏れのないものが出来上がります。

あと、バイヤーが契約の実務で気をつけることは、たった一つです。それは必ずバイヤー側から契約書の原案を提示する、ということ。

実務上は多忙なバイヤーには非常にハードルが高いのですが、契約を自社に有利に導くためには絶対必要です。

前任者がうかつにも「日米和親条約」みたいな不利な契約を結んでしまい、その改定に労力を費やした経験があるのですが、とにかく最初に提示された案から契約書の規定に関する交渉が始まりますから、どちらが先に案を提示するかというのは最重要なのです。
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2008年07月11日

私的CPP講座 その二

第二回は「購買戦略ってなんだ?」

購買戦略って言っても、なんだか大仰で、現場のバイヤーにはピンと来ないと思う。そういう意味ではこの分野は一番取っ付きにくいところかもしれない。

第一、戦略と言う言葉の本来の意味から言うと、事業戦略というものはあり得ても、特定の機能に過ぎない「購買」なんてものに戦略があり得るのか、という疑問が浮かぶ。個人的には会社全体で見たらやはり購買は戦略でなく、戦術に過ぎないと考えたりもしている。

結論を先に言うと、受験対策に絞ってしまえば、購買の戦略なんてマーケティングと経営戦略のイロハを覚えてしまえばCPPには充分だ。その手の本ならいくらでもある。CPP対策講座として簡単な本でも紹介すれば、それで終わりである。

でもね、そんなことは別にして、現場にいるあなたは目の前の仕事をしながら「こうしたらもっと上手く行くのに」とか、「なんでこんなことやってんだ」とか日々思ってるんじゃないだろうか。

厳しい言い方をすると、思うだけなら誰でも出来る。だが、それだけではあなたが飛躍することは決してない。賭けてもいい。

その問題を突き詰めてどれだけの時間考えてみただろう。どうしてその問題は今までほったらかしになっていたのか、考えてみただろうか。解決する手段をいくつも検討してみただろうか。そして実際に試してみただろうか。

マーケティングや経営戦略はすすむべき方向を見失わないために、必要な俯瞰のためのツールに過ぎない。あなたに必要なのは、今いる位置からしつこく、地道に情報発信をし、少しでも現状の改善を図ることなのだ。

高尚な理論と実際のギャップを埋めるには、それしか方法はない。

それしかないんだ。
posted by 継之助 at 05:07| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの休憩室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月02日

私的CPP講座その一

CPP(購買調達プロフェッショナル資格)受験の季節がやって来た。

五十時間ほどあの分厚いテキストとにらめっこすれば、合格率は上がる、というアンケート結果があるらしいが、全く日常業務と切り離して、受験勉強としてテキストに取り組むというのは、大方の若い受験者にとっては苦痛でしかないだろう。

そこで、これから数回に渡り私的CPP講座を開設することに決めた。

ここではテキストを読み解くようなことはしない。一夜漬けの試験勉強を期待している人には申し訳ない。

そのかわり、日常業務のどんなシチュエーションでどの部分を意識したら、CPPの求めるような知識が「腑に落ちるようになるのか」をアドバイスして行きたい。

第一回は「会計とシステムはセットで覚えろ!」

購買システムが発達した現代、現場のバイヤーはボケッとしていると、自分達のやっている仕事が会計的にどんな意味を持つのか、全く理解しないまま、日々を送ることが出来る。

これは三つの意味でやばい。

まず、バイヤーの仕事の大半は、自分達の仕事を人に説明して納得を得ることだが、自分達の仕事が会社に与える影響を会計的に説明できない人にはそれは無理だからだ。

次に自社の会計が分からないレベルでは、当然サプライヤーの財務分析が出来ない。

最後にそれでは、経営者にはなれない。

最後のは冗談だとしても、会計は会社という組織を知るための言語と言ってもよいから、この基本的な文法を知るだけで仕事に深みが出ること間違いなし。

それではどうしたらよいのだろう?

まずは購買業務全体を俯瞰することだ。購買システムのマニュアルにあるはずのチャートを引っ張りだそう。業務のフローが丁寧に書いてあるやつじゃなくて、他のシステムとの連携なんかがかいてあるのが良い。

そうしたら会計システムとのデータ連携がどうやってされているのかに着目しよう。ERPみたいにリアルタイムで会計システムとつながっているなら、購買伝票のドリルダウンで会計仕訳を調べてみよう。月次や日時でデータ転送を行っていると分かったら、その種類と仕訳と会計的意味を会計担当者に聞いてみよう。(ただし決算期は避けること。会計担当者は殺気立っているから。)買掛金とか未払金とか、なんたら仮勘定なんて言葉と数字が並んでいるに違いない。

次に簿記三級のテキストを読んで、聞いたり調べたりしたことを整理しよう。

ここまでやれば、購買の仕事が会計的にどんな意味を持っているのかわかるはず。
購買システムの裏で、会計システムがどのように動いているのかも、理解できるようになる。(伝票入力を間違えた同僚を助けることができるかもしれない。)
posted by 継之助 at 06:26| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの休憩室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月26日

第十五回購買ネットワーク会から考えたこと

先日第十五回購買ネットワーク会が行われた。今回は、ここのところ恒例の「スペシャルトーク」と、初めての試みになるパネルディスカッション「設計VSバイヤー」の二本立て。

パネルディスカッションというものを見るのは、生まれて初めてだったので、進行にも興味をもって臨んだのだが、時間の制約もあって、ちょっと消化不良というか本音の部分まで迫った話が出来なかったのかなあ、という感想を持った。

そんなこともあってか、その後もMLで開発購買推進の具体論について議論がされていた。

ところで「私が考えたこと」、というのは「設計VSバイヤー」という話の本筋からは大きく外れたことだ。

(鶏が先か卵が先か、みたいな感じもするのだが、)仕事をする上で個人ありきなのか、それとも組織ありきなのかということである。MLでも結構この視点で議論がされていたのである。

私自身の意見は、「突破するのは個人、されど定着化するのは組織」というものである。本当の意味で伝統のない(というのか伝承のないというのか?)企業にいると、個の力で結構いろいろやれてしまうのだが、経営視点で中長期的にみたときには、それだけでは良い結果をもたらさない場合が多いのではとこの頃考えている。

何しろ始めたことを浸透させたり、横展開したりするのには、膨大なエネルギーが必要なのだ。このエネルギーを賄うには、やはり組織の力をうまく使った方が良いように思える。

異論も多いと思うので、もっと議論をしてみたいテーマである。
posted by 継之助 at 21:28| 北海道 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

お前なんかバイヤーじゃない!

継之助はばいやー関連の仕事をしているのだが、時々、いや割合でいうとこちらの方が多いといえるぐらい、「売り込み」の仕事をする。先日も「営業」をすることになった。

相手はある会社のバイヤー。というかある会社のバイヤーのはずだった。

同行した同僚が商品の詳細な説明をする。継之助はその商品のコンセプトを時々付け加えて説明する。その相手はバイヤーであるはずだった。

数時間に渡るプレゼンの最後、我々の努力は全くの徒労に終わった。なぜなら、相手はその商品の購買を決定する能力も、権限も持ち合わせていないことがわかったからだ。

「予算がないな。そりゃあ高い。ちょっと上に説明できない」そういう言葉が最後に我々に浴びせられた。

あのなあ、上に説明できないんだったら俺たちを呼ぶなよ。何回同じ事を説明してると思ってるんだ?

ありゃバイヤーを名乗ってはいけない人間だな。もう相手にするまい。
posted by 継之助 at 00:29| 北海道 ??| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの怒り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

社長の椅子

今日はソファーを見に家具の大型店舗へ行って来た。あまり時間がなかったので、「ソファーの売り場へ行ってさっと引き上げるか(すぐに買う訳でもないし)」なんて思っていたのだが、そうは行かなかった。

一般的な家具屋さんでは、売り場は商品別になっている。つまりソファーはソファーだけ、テーブルセットはテーブルセットだけで展示してあるのだが、それでは実際に自分の家に家具を置いた時のイメージが湧かない、という理由で、その店舗はリビングやダイニングが雰囲気別に丸ごと展示してあるのだ。

従って「ソファー売り場はどちらにありますか?」という質問はできないことになり、受付で必ず案内係の店員さんを割り当ててもらって、説明を聞きながらフロアを回ることになった。

写真はとれなかったが、そこで案内された一つのソファー。三人掛けの平凡なデザインなのだが、これがなんと二百万円以上する。それは、ちょっと座った心地だけでは良い物なのか悪い物なのか、判断できない代物であった。実際、長年使ってはじめて、「ああ、良いものだったなあ」と分かるものなのだそうだ。

で、「こんな値段のソファーはどんなとこに置いたらいいんだろうな。いっそソファーにあわせて部屋を作らなきゃだめかな」などと無邪気に話していたら、店員さんに「社長室の応接などに置かれることが多いです」と言われた。

本当にそうなんだ!

でも在任期間の短い日本の社長じゃ、あのソファーの善し悪しは確認できないな。
posted by 継之助 at 22:41| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月26日

第十五回購買ネットワーク会に行こう!

昨日申し込みが始まったばかりなのに、なんと既に25人もの申込があったそうだ。

今度のネットワーク会は6月21日(土)に行われる。初の試み、パネルディスカッションが今から楽しみである。

興味のある方は、ここからお早めにお申し込みください。
posted by 継之助 at 23:01| 北海道 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやー日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月24日

覚悟の決め方

腹が据わっている人というのは実際にいる。何事にも動じないというのではないのだろうが、私などが動揺しまくってしまうことを、いとも簡単に片付けてしまう。

生まれてこのかた、こういうのは持って生まれた資質なのだと片付けてきた。だから仕方ないのだとあきらめて自分を誤摩化してきた。

絶望的に腹の据わっていない自分にほとほと嫌気のさした今、腹の据わった人になる方法論を具体的に知りたい。実践してみたい、と真剣に思う。

誰か知っていたら教えてほしい。本気である。
posted by 継之助 at 00:28| 北海道 ????| Comment(2) | TrackBack(0) | ばいやーの懺悔 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月08日

日本三文オペラ

開高健「日本三文オペラ」読了。継之助を本の世界に引きずり込んだのは、開高健その人なのだが、「パニック」「裸の王様」とあわせて続けざまに読んでみた。(しかし「かいこうけん」だとばかり思っていたのだが、「かいこうたけし」なのだ。ちゃんと調べないとこういう誤解をしたままになるのですね。)

驚いたことに、そこには「都市鉱山」の概念が登場している。Wikipediaにもそこまで「都市鉱山」の起源が遡るとは書いていない。

しかも現在まで至る、このリサイクルという仕事の怪しさと経済的意義が、小説の背景にきちんと描かれている。

二十年前には決してお薦めの本ではなかったと思う。それだからこそ、初版から約五十年経過した今、この本の背景は再び同時代性を持ち始めている。

と偉そうに評論してみたが、そんなことを抜きにして、開高健の豊穣な日本語に触れる喜びに浸ることができた。

お薦めである。
posted by 継之助 at 23:53| 北海道 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやーの図書室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月23日

ファイナンスが分からんバイヤー

リース会社の営業マンと会う。誤解を恐れずに言うと、会計制度の変更で彼らの業界全体が揺らいでいる。

私はリース担当ではない(そもそもバイヤーですらない)ので、別に具体的な案件があった訳ではなく、単なる担当者交代の挨拶だったので、いろいろと情報交換を行うことにした。

すると驚くべきことを言うではないか。「購買さんが窓口になっているxxのケースですが、あれ、かえって煩わしいんですよね。なんとかなりませんかねえ」

瞬間湯沸かし器のように切れそうになるのを抑えて理由を聞いてみる。ファイナンスリースでは食えなくなったリース会社では、オペレーティングリースに軸足を移している。そうすると必然的に事業部単位でのライン丸ごとの提案案件などがメインになり、財務知識もなく、経営判断ができない(権限もない)バイヤーは商売相手としてふさわしくないのだそうだ。

「で、一般的な話としてこの会社以外でも、貴方が購買以外を相手に商売する割合は何パーセントぐらいですか」と聞いてみたところ、「80%以上でしょうね。金額的には殆ど全てと言ってもよいです」との事。

世の中のリース担当バイヤー諸氏よ。これは由々しき問題ではないか?

確かに物件の価格交渉には加わったのかもしれない。でも「財務が分からんし、判断できんから、その話は財務か事業部にね」では能がない。

でも更に話を聞いてみると、怪しげな資料を取り出して来た。斬新で画期的な提案なのだが、根拠があやふやだと一見して分かる。で、「この枠組みでのリースが会計士に認められる確率は何パーセントですか」と質問すると「50%程度です。やっぱりこの資料は持って帰った方がいいですかねえ」というではないか。こりゃ確かに、相当ぎりぎりの線で営業をしているようだ。
posted by 継之助 at 06:42| 北海道 ??| Comment(0) | TrackBack(0) | ばいやー日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする